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GLAYの『LOVE IS BEAUTIFUL』を聴くとなぜか関東連合を思い出す

SOMEYA
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夜の沖縄国際通り
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USE COMPANY LLCの共同創業者のひとり。毎日、いろいろなWebサイトで記事を書いたり、コード書いたり、法律の勉強をしています。池袋ウエストゲートパーク・すべてがFになる・龍が如く・YMOあたりで構成されました。月に一度、沖縄に引きこもるのが好き。

誰にでも忘れられない音楽があります。それは特定の1曲だったり,アルバム全体だったり,またはアルバムの中の一部の流れだったりそれぞれ異なります。

しかし,共通しているのは,それらの音楽を聴くと思い出す,思い出さずにはいられないものがあるということです。学生時代のこと,恋人のデート,社会に出てからのこと―。

僕にとってそんな1枚は,GLAYの『LOVE IS BEAUTIFUL』というアルバムです。このアルバムが発売されたのは2007年なので,僕はとうに大人になっています。失礼を承知で言うと,発売された当時,それほど印象に残らなかったのですが,今では欠かせない作品になっています。

そして,『LOVE IS BEAUTIFUL』を聴くと関東連合を思い出すのです。

GLAYの著作権使用料をめぐる二度のトラブル

バーニング社とのトラブル

GLAYはもともとアンリミテッド社の「アンリミテッドグループ」という事務所に所属していました。ここはバーニング社の「バーニングパブリッシャーズ」と共同出版契約を結んでおり,著作権使用料(印税)は次のように支払われていました。

JASRAC→バーニング社→アンリミテッド社→GLAY

しかし,バーニング社からアンリミテッド社に著作権使用料の支払いが滞ったために,アンリミテッド社は訴訟を起こしました。結果,アンリミテッド社の主張(以下の内容)は認められました。

1 別紙楽曲目録1,2記載の共有著作物について,被告が著作権法65条,64条所定の共有著作権行使の代表者の地位にないことを確認する。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

参考:https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/327/012327_hanrei.pdf

アンリミテッド社とのトラブル

今度は,アンリミテッド社が著作権使用料の支払いを滞るようになり,GLAY側が訴訟を起こします。結果,2005年11月以降の楽曲の著作権はGLAYに属しているとして,6億7,000万円をGLAY側に支払う判決が下されました。

現在,GLAYの権利は,リーダーであるTAKUROの個人会社が持っています。

被告は,原告有限会社ラバーソウルエクストリームに対し,2億33
66万4789円及びこれに対する平成19年11月2日から支払済み
まで年6分の割合による金員を支払え。

参考:https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/139/038139_hanrei.pdf

『G4』

一度目のバーニング社とのトラブル(2001年頃)はアンリミテッド社がいたものの,二度目のアンリミテッド社とのトラブル(2007年頃)のときは,GLAY自身で戦うしかありません。

この頃に発売されたのが『G4』(2006年7月発売)です。本作は前作「ホワイトロード」(2004年12月)以来1年7か月ぶりのシングルになりました。

今でこそ,このくらいのスパンで発売される新曲は珍しくありませんが,当時は数ヶ月に1枚はシングルCDを出すような時代です。そう考えると,いかに長い期間空いていたかがわかります。

関東連合による芸能界の汚れ仕事

ここに来て,「なぜ関東連合?」という方もいると思います。

関東連合というと,「海老蔵事件」(2010年)や「六本木クラブ襲撃事件」(2012年)などでにわかに注目されるようになった半グレ集団です(リーダーの見立真一は現在も指名手配されています)。

関東連合については,溝口敦さん(ノンフィクション作家。「半グレ」という言葉を定義した方です)の『暴力団』をはじめ多くの書物で言及されていますが,なかでも衝撃的なのは実際に関東連合に所属していて幹部だった柴田大輔さんの著作です。

  1. いびつな絆 関東連合の真実(工藤明男名義,2013年6月)
  2. 破壊の連鎖 いびつな絆が生まれた時代(工藤明男名義,2014年7月)
  3. 聖域 関東連合の金脈とVIPコネクション(2016年10月)

1作目と2作目では「工藤明男」(当時インターネット上で噂されていた架空の幹部名を使った)を使っており,最終章となる『聖域』では本名である柴田大輔名義で出版されています。

これらの著作の中で,GLAYの著作権トラブルについての言及があります。

関東連合は,当時の芸能界でのトラブルにも関わってきた。たとえば一時期,大手芸能プロダクションB社とビジュアル系ロックバンドGの所属事務所との間で版権をめぐるトラブルが発生したことがある。G側のバックには住吉会系N工業が介入してきたのだが,この時,B社S社長のボディガード役として駆り出されたのが関東連合だった。関東連合OBから1名と後輩1名がS社長についていた。もっとも業界ではすぐ「S社長がガラの悪い輩を連れ歩いている」という噂が立ち,2人は2週間ほどで解雇されることになった(後にその後輩が交通事故で亡くなった際には葬儀にも顔を出してくれるほどS社長は義理堅い方だった)。

『いびつな絆 関東連合の真実』より引用

これが前述のバーニング社とのトラブルの頃の話になると思われます。

このとき,どうして関東連合をボディガードにつけていたかという点については,もうひとつ別の資料を読むとわかります。

当時,X社長はGLAYの所属事務所と,そのバックにいた住吉会系大日本工業と揉めており,赤坂の事務所に銃弾を打ち込まれるなどの事件が起きていた。暴力団との関係をバックに,芸能界で絶大な政治力を振るってきたX社長には,それに対抗するだけの人脈はもちろんあったはずだが,X社長はこの時期から,一度頼み事をすれば,果てしなく吸い取られ続ける暴力団との関係を清算していたようだ。

『聖域 関東連合の金脈とVIPコネクション』より引用

ここでいう「X社長」は先ほどの「B社S社長」です。

『LOVE IS BEAUTIFUL』収録曲の歌詞に垣間見える苦悩

『LOVE IS BEAUTIFUL』のCDジャケット

『LOVE IS BEAUTIFUL』のCDジャケット

さまざまなトラブルを乗り越えたGLAYのアルバム『LOVE IS BEAUTIFUL』が発売されたのは2007年1月,前作『THE FRUSTRATED』(2004年3月発売)から2年10か月ぶりの新作となりました。

当初,最終曲「MIRROR」が1曲目になる予定でしたが,JIRO(GLAYの裏番長的存在)の意見により,「ROCK’N’ROLL SWINDLE」がオープニングになっています。

ちなみに,ライブDVD『GLAY ARENA TOUR 2007“LOVE IS BEAUTIFUL”』では,「MIRROR」ではじまり,「ROCK’N’ROLL SWINDLE」が2曲目,最後は「LAYLA」という構成になっています。

そして,なにより『LOVE IS BEAUTIFUL』に収録されている楽曲の歌詞が,GLAY,特にリーダーであるTAKUROさんの苦悩の日々が反映されているのがわかります。

ROCK’N’ROLL SWINDLE

空振り だけどMY WAY どうせ永久に見捨てられた俺たちならば

酔いどれ 吐いてサルベージ アゴを上げてホホをたたき街に出る

トラブルを起こした(巻き込まれた)アーティストがそのあとの活動を余儀なくされるというのは芸能界でよく聞くパターンです。

 

LAYLA

まだ俺はやれるのさ かつてのように器用には
WOW うまく振る舞えないかもしれないけれど
諦めに舌を出し 消せないのなら戦おう
LIVE FOREVER 足の震えを隠し明日に挑むんだ

前述のライブDVD『GLAY ARENA TOUR 2007“LOVE IS BEAUTIFUL”』でも,「LAYLA」を聴いてお客さんたちが泣いているのが映ります。

 

夢に破れた俺をお前は一言も責めなかった
俺達はどんな惨めな時も冗談を飛ばし合った
今はうつむいてばかりはいられない

ライブDVDだとTERUさんとTAKUROさんの目が合います。

 

MIRROR

時に誇りさえ奪われ信じた者の裏切りを見た
薄ら笑いの影にこれまでの日々が哀しく思えた
海へ漕ぎ出した男達 陸で今日を生きる女達
掲げたプライドなんてモノはとうに嵐にさらわれた

アルバムのラストを飾る(ライブでは先頭の)「MIRROR」の歌詞は,ほぼ全編がトラブルあたりのことを彷彿させます。

 

この街を出る事できと心の空白は埋まるから…
そう信じて西行きのバスのホーム 俺達は明日に賭けた
働いて働いて働いて夢も時間も売り切った
だけど手にした金の力では空白は埋まらなかった

2コーラス目のAメロ。

 

今日という日が 明日という日が裏切りばかりの毎日でも
今日という日が 明日という日が心殺すばかりの毎日でも
今日という日が 明日という日が絶望ばかりの毎日でも
こぼれそうなあの笑顔を探している

そして,最後。

 

個人的なことを少し書きます。

僕は『LOVE IS BEAUTIFUL』が発売された当時,それほど意識して本作を聴いていませんでした。それから10年以上経ったある日,沖縄の街を歩いているときに本作をたまたま聴いてこのアルバム,特に「MIRROR」から「ROCK’N’ROLL SWINDLE」にかけての流れが好きになりました。

きっと沖縄に滞在しながら,いくつかの出会いを経験したことも影響しているのかもしれません。

僕にとってはこれが特別な1枚です。そして,誰かにとっての特別な音楽の話を聞きたくなりました。

 

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