前回,前々回と,GLAYの音楽で好きな歌詞まとめという属人的な記事をお届けしています。
今回は,GLAYと人生編です。
コアなファンの方だったら絶対にハマっているアルバムの中盤あたりの名曲たちです(終盤もあり)。TAKUROさんの描く「人生の岐路」は心が動かされますよね。僕も生きている中で何かのきっかけがあるごとに聴き直しています(最近はランニング中に毎日のように聴いています)。
「BELOVED」(『BELOVED』収録)
やがて来る それぞれの交差点を迷いの中 立ち止まるけど
それでも 人はまた歩き出す
CDシングル(当時は8cmシングルだったのです)が発売された当時,まだまだ「交差点」なんてものはわからず,ただ「いい歌だなあ」なんて思っていたのですが,それから何年か経って,それぞれの道を歩くようになったときに「そういうことだったのか」と思うのでした。
『BELOVE』には,「カナリヤ」という曲も収録されていて,「僕らは銃を持たず 生きる術も何も持たず 戦場へ行った」という歌詞も好きでした。
また,タイトルそのまま「都忘れ」の「階段を昇る時も 降りるその日が来たとしても 変わらない優しさを胸に秘めて 胸に秘めて この足で歩けたなら」とかも良いですよね(コード進行も大好き)。
タイミングを考えると,メジャーデビューして音楽シーンで成功して,ふと振り返るような曲が多くなった頃なのかななんて思います。
「pure soul」(『pure soul』)
賽を振る時は訪れ 人生の岐路に佇む
共に見た数々の夢を追いかけ 汗を流す仲間もいたな
声を上げ駆ける少年を 振り返る余裕すらなく
擦り切れた若さの残り火 この胸にくすぶらせている
GLAYが頂点に立ったときに発売された4thアルバム『pure soul』のタイトル曲です。同世代だと,この歌が好きな人はとても多いように感じます。間奏返りの「夜明け前 独りで高速を走った」とか,10年,20年以上経った今でもよく聞く曲のひとつです。
「HEAVY GAUGE」(『HEAVY GAUGE』収録)
HEAVY GAUGE 悲しみのキワに立ちすくむ2人に
今 施錠の雨が降り注いで…
あといくつの夢を踏めば安らかに眠れるのか
『pure soul』の次に発売されたアルバム『HEAVY GAUGE』は,GLAYの病み期だと思っています。アルバムを再生したとき,レディオヘッドのような憂鬱なギターが鳴ります。
アルバムの冒頭がとても暗くて,途中「ここではないどこかへ」などもあり,後半「Will Be King」の「遠くまで…超えるまで…勝てるまで…届くまで」という歌詞にも心を打たれます。
そして,最後を飾るのが次の「Savile Row」です。
「Savile Row」(『HEAVY GAUGE』収録)
Morning Sunday Morning 成田へと向かう車に揺られて
夏の残り香 感じながら 今日ロンドンに行く
高速の流れは順調 幕張まであと少し
そっと目を閉じ想い はせる 遠い日のように
冒頭部が日記のような構成になっています。
そして,以下,間奏返りのAメロ部も好きです。
無心なボールになりたい 赤いバスよりもたくましく
ハイドパークの午後の日射し 今日も平和に見えた
旅路の果ての夢見て 旅さえ出れないこの僕は
いつのまにか信じられる友さえなくした
すごく明るい流れだと思っていたところから,深い闇の部分が描かれるのも好きなんです。2コーラス目の「また誰か闇に向かい ハデにツバを吐く」あたりもミュージシャンの葛藤を感じます。
「あの夏一番遠い場所」(『THE FRUSTRATED』収録)
あのメロディーが一番輝いてた夏に君の手を話した 人波に紛れ
ただ無邪気で残酷に求めすぎた蒼さ 自由と引換えに”何か”を失った
僕らはいつでも試されていたんだ
GLAYの中でもトップ5に入る好きな曲の歌詞です(好きな場所がたくさんあります)。これは,2コーラス目のサビ部分です。また,2コーラス目のAメロの「折からの台風が近づいていると聞いて 前時代のエンジンを噴かして僕ら急いだんだ」なども,とても好きなフレーズのひとつです。
この「時代の流れ」を意識させる響きは,後述する「MIRROR」にも感じます。
「LAYLA」(『LOVE IS BEAUTIFUL』収録)
夢に破れた俺をお前は一言も責めなかった
俺達はどんな惨めな時も冗談を飛ばし合った
今はうつむいてばかりはいられない
GLAYの名盤『LOVE IS BEAUTIFUL』の終盤に収録されている「LAYLA」です。ライブツアー『GLAY ARENA TOUR 2007“LOVE IS BEAUTIFUL”』の映像作品でもファンがみんな泣いちゃっていますよね。
「MIRROR」(『LOVE IS BEAUTIFUL』収録)
時に誇りさえ奪われ信じた者の裏切りを見た
薄ら笑いの影にこれまでの日々が哀しく思えた
海へ漕ぎ出した男達 陸で今日を生きる女達
掲げたプライドなんてモノはとうに嵐にさらわれた
そして,ラストが「MIRROR」です。前述のライブでは1曲目に演奏されています(その後,アルバムのオープニングナンバー「ROCK’N’ROLL SWINDLE 」につながる)。
自分たちを嘲笑うような歌詞に心を打たれます。
また,サビの「Hello…」の繰り返しがたまらなく良いのです。
「MUSIC LIFE」(『MUSIC LIFE』収録)
金髪のアルバイトだって真面目さが取り柄だったよ
真夜中のスタジオJCかMarshallを取り合ってた
アルバム『MUSIC LIFE』のラストを飾るナンバーです(作曲はJIROさん,歌詞はTAKUROさん)。
函館時代,そしてメジャーデビューまでのGLAYを感じる内容になっています。
本作(2014年発売)は,メンバーそれぞれの原点のようなものを感じるのが好きなんです。
TERUさんが作曲した「疾走れ!ミライ」も間奏から返ってきたあとの「子供みたいだと笑われても それは不可能だと冷めた目で見られても そう僕は 僕だけは僕だけを 信じて行こうとあの空に誓ったのさ」と,純粋な感じの歌詞が好きです。
変わりどころだと,HISASHIさんが作曲した(←いつも風変わりな作風で最高です)「妄想コレクター」もいかにもHISASHIさんっぽい歌詞ですよね(HISASHIさんは歌詞も「っぽい」。)
また,別のアルバムになりますが,「JUSTICE [FROM] GUILTY」(『JUSTICE』収録),「My name is DATURA」(『NO DEMOCRACY』収録)とかも大好物です。
HISASHIさんは,『rare collectives vol.2』(カップリング曲等で構成されたコンピレーション・アルバム)のDisc2が「HISASHI DISC」があるほど,独特の色を見せてくれます(光線銃やピッキングハーモニクスなどHISASHI愛を語ったら止まらない)。