『とにかく仕組み化』仕組み化の4つのポイントをおさえる

書評

「組織の歯車になんて,なりたくない」「自分らしくありたい」

おそらく,多くの方々は,こんな思いを持って働いていたこともあるのではないでしょうか。今回は,そんなみなさんが「自分にしかできないことがあるはずだ!」と考える中で,参考にしてほしい本を紹介します。『とにかく仕組み化』は勉強になることが多いので,一度読んでみると良いでしょう。

どんな人に向いている本なのか?

以下のような方に本書はマッチしていると思います。

  • 経営者や事業責任者の方
  • 部下を持ちはじめた方
  • 自分にしかできない仕事があると考えている方

本書は,書籍の名前の通り,仕組み化を推奨していくものなので,経営者や事業責任者,マネジメントに関わる方は必読なのではないかと思います。また,自分にしかできない仕事があると考えている方も普段の業務に新しい考えを入れることで,参考になる部分も多いので,読んでみてください。

仕組み化の大前提

そもそも,なぜ仕組み化に力を入れる必要があるのかというと,本書では以下の前提があるからと説明されています。

①「性弱説=人は易きに流れるもの」だと考えたほうがいい
②いろんな業務を放っておくと「属人化」していく

人間というのは,慣れてくると適当に業務をこなしてしまう部分が出てきます。そのため,業務を仕組み化して,やる気にパフォーマンスが左右されない状態を作りだしておく必要があります。どうしても人間は気分に左右されるので,それが入り込む余地を減らしていくようにしましょう。

また,業務は勝手に属人化していくというのもよくある話です。人間は誰かに業務を教えて育成することは時間がかかってしまい,積極的にやりたがらないことが多くあります。そうするとどうしても,その人しか理解できていない業務が増えてきて,属人化してしまいます。こうなると,その人に業務が集中しすぎてしまいますし,その方が会社を退職する際に大きな問題が起こってしまいます。このようなことが起こらないようにするために,仕組み化をしておくようにしましょう。

仕組み化の4つのポイント

では,どのようなプロセスで仕組み化を進めればいいのか,4つのポイントを紹介していきます。

①責任と権限と権限を手に入れる

「そんな話は聞いていない」という横やりをなくし,「誰にOKをもらえばGOできるか」を誰が読んでもわかるように明文化しておきます。ルールは線引きをクリアにして,「例外」をとことんなくすことが大切とあります。また,代替案が見つかった場合や前提となる環境が変わった場合は,朝令暮改を気にせずにルールを変えてしまうことも大切になります。

②危機感を利用する

「怖さ=明確な基準に沿って淡々とフィードバックする姿勢」が大切です。上司と部下には,距離感と制限時間を設けて,ほどよいプレッシャーを生み出すもが重要になるとのことでした。

③比較と平等に気を付ける

褒めるべきときに褒め,そうでないときには褒めないを徹底することが大事。また,えこひいきではなく,仕組み・ルールに沿って評価をしないと仕組み化の意味がなくなってしまいます。

④企業理念を再認識する

理念に近づくことだけをやり,理念から遠ざかることはしない。この一貫性を保つことも重要です。言い訳をできる隙を作らないことが肝になるようです。

まとめ

今回は『とにかく仕組み化』について紹介しました。どうしても人間である以上,感情で判断してしまったり,パフォーマンスが上下してしまうことはあります。不安定な状態にならないように仕組み化をしていけると良いでしょう。

書名 とにかく仕組み化
著者 安藤 広大
出版社 ダイヤモンド社

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