『運動脳』私たちの脳は狩猟民族時代のまま

書評

みなさん運動はしていますか? 私は,数年前から週3日はランニングを行っています。仕事終わりなどやりたくない日もありますが,やらないとその後の罪悪感もあるので,なんとか続けられています。

今回は,そんな中見つけた『運動脳』という本を紹介したいと思います。普段の仕事関連からは少しそれますが,まったくの的外れということもないので,お手隙の際に読んでもらえるとうれしいです。

私たちの脳はまだサバンナにいる

著者が言うには,私たちの脳はこれだけ文明が発展していても,狩猟民族時代のままの形態になっており,普段サバンナにいると考えているようです。つまり,1日獲物を追い回してなんとか食料にありつける時代の構成のままとなっており,運動をしないと脳の機能が弱体化してしまうようです。

狩猟民族の時代は,獲物を追うのも敵から逃げる際も運動を行っていました。本書では,脳は狩猟民族時代の構成でできているので,運動をしないと脳が自分の役割がだんだん少なくなってきたと考え,機能が衰えてくるようです。具体的には「集中力」「記憶力」「想像力」が運動している人の場合は運動を行っていない人に比べ高く,ストレスを処理したり不安などの感情の処理も薬を処方するより良いデータが出ているようでした。

私自身,本格的なダイエットに取り組んだこともありますが,脳がまだサバンナにいるというのは身を持って実感したことがあります。ダイエットは急激に体重を落としてしまうと停滞期がきます。それは脳が「飢餓」が来たと勘違いしてしまい,普段以上に脂肪を取り込むように指示をすることから停滞期がきているようです。運動不足の影響は昔から散々言われていますが,やはり運動をするのはかなり重要なようです。

どんな運動をすれば良いの?

著者が言うには,脳に良い影響を与えるのは「有酸素運動」がもっとも効果があるようです。少し息がきれるくらいの心拍数で,30分程度の運動を週に3日以上,習慣的に行うと脳に良い影響が得られるとのことです。昨今ダイエットの常識では有酸素運動は,筋肉が落ちるからあまりよくないと言われることが増えましたが,脳には良い影響があるようでした。

運動は,ランニングでもサイクリングでもウォーキングでも良いそうで,自分が継続して行えるものを選択していくのが良いとのことです。私自身,ランニングを習慣にしてから脳の機能を意識したことはありませんが,純粋に体力はつきましたし,夜眠れないことも減りました。それに伴い,翌朝以降の仕事のパフォーマンスも上がっています。運動習慣があまりない人も,ウォーキングレベルから始めることをおすすめします。

まとめ

今回は『運動脳』を紹介しました。人間が生きている以上,切り離せないのが運動です。健康を維持したり,脳の機能を保っていくためにも重要であることがわかってきました。習慣にするのは難しいですが,一駅前に降りて歩いてみたり,エレベーターの使用を減らすなどしてできる範囲で運動をはじめてみてください。

書名 運動脳
著者 アンデシュ・ハンセン
出版社 サンマーク出版

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