一度自社の商品やサービスを購入してくれた顧客でも,その後も継続して購入してくれるとは限りません。また,購入を検討している見込み顧客すべてが購入する可能性は低いです。そうすると,BtoBビジネスの場合,次に商品やサービスが必要になるまでの期間が長かったり,取引金額が高かったりする場合,休眠顧客が増えてしまう傾向にあります。今回は,休眠顧客の掘り起こしについて解説していきます。
休眠顧客とは?
休眠顧客とは,過去に商談や取引があったけれど,今は放置された見込み顧客のことを指します。特にBtoBビジネスでは休眠顧客が多くなります。理由としては,BtoBビジネスは,BtoCビジネスに比べて検討時間が長い傾向にあり,1回あたりの取引金額が高かったり,次に商品やサービスが必要になるまでの期間が長いためです。
取引金額が高ければ,顧客は購入に慎重になります。購買行動に慎重になっている間に,こちらから適切なアピールができなければ,休眠化してしまうというのが休眠顧客が生まれる理由です。
休眠顧客の掘り起こしを行う上でのポイント
休眠顧客の掘り起こしを効率的に行うには,ポイントを押さえておきましょう。ここでは休眠顧客にアプローチするためのコツについてご紹介します。
はやめに行動する
休眠状態が長ければ長いほど,顧客は製品に関する興味が薄れてしまいます。そのため,休眠顧客を長期にわたって放置しておくのは避けましょう。
まずは休眠顧客を早期発見し,早めに行動できるような仕組みづくりが大切です。社内で「どのような状態の顧客を休眠顧客と呼ぶのか」を明確にしましょう。また,扱う商材によって必要になる期間が異なるため,休眠状態と呼ぶ期間は企業ごとに設定する必要があります。たとえば「最終利用日から1年」「最終利用日から3ヶ月」など,明確に期間を定めておけば管理がしやすいでしょう。
休眠顧客の理解を深める
次に,休眠顧客の心理を考え理解を深めましょう。休眠顧客を分析する際,購買履歴や休眠期間などはデータを見ればすぐに把握できます。しかし,「なぜしばらく自社の商品・サービスを利用しなかったのか」という原因がわからなければ,有効な施策に結びつきません。休眠顧客への心理を理解するには以下の方法があります。
休眠までの利用状況
休眠顧客が休眠状態になるまでの利用状況を確認しましょう。「利用回数」「利用頻度」「1回あたりの利用額」などをチェックします。たとえば利用回数が多く利用頻度や利用額が高い場合,その顧客は優良顧客だった可能性が高くなります。そのため優先的にアプローチする対象となるでしょう。逆に,一度購入しただけの顧客や,少額の利用だけの顧客は再購入の可能性が低いため,アプローチ対象として外しましょう。
休眠顧客を見極める
同じ休眠顧客でも,確度の違いがあります。一般的に,休眠期間が長いほど確度が低いといえるでしょう。そのため,確度の高い休眠顧客を見極め,効率的にアプローチする必要があります。
これまで休眠顧客に対して何も施策を行なってこなかったのであれば,数が膨大になっている可能性があります。しかし,すべての休眠顧客にDMやメールなどの施策を行うのは非効率的です。そのため,再度取引の可能性がある顧客を見極めることが大切になります。確度の低い休眠顧客は切り捨て,確度の高い休眠顧客にターゲットを絞ってアプローチすることが掘り起こしを成功させるコツです。
まとめ
今回は休眠顧客についてまとめました。休眠顧客のフォロー体制を明確に定めていれば,新規開拓をするよりも効率的に売上をあげることができます。どうしても忘れがちなものなので,社内で休眠顧客のフォロー体制がない場合は早く構築するようにしましょう。