「リクルーターを活用して採用活動を行っている」
外資系企業の採用においては今までも聞くことが多かったワードですが,最近では中途採用で聞くことも増えて来ました。
しかし,「そもそもリクルーターって何?」や「何がメリットがあるの?」という意見を聞くことも増えました。そのため,今回はリクルーターについて記載したいと思います。
リクルーターとはそもそも何か?
リクルーターとは,言葉の意味だけで言えば「採用担当者」という単語です。しかし,これだと「普段からいる採用担当者と何が違うの?」と感じる方も多いでしょう。
近年使われている「リクルーター」は,採用活動において,応募者などとコンタクトをとる役割を担う現場社員を指します。
今までは,新卒採用で用いられるケースが大半でしたが,求人を出して待っているだけでは応募が来なくなった現在,現場社員と協力しながら,企業全体で採用を成功させようとする動きが拡大ています。
リクルーターを設けるメリット
いざ単語を再認識できても,「メリットは何かあるのか?」とお考えになる方も多いでしょう。リクルーターを設けるメリットは以下になります。
- 自社への入社を検討していない潜在層にもアプローチできる
- より現場での活躍が見込める人材を発掘できる
- リクルーターを担当した現場社員自身のエンゲージメントが向上する
代表例はこの3つになるでしょう。ひとつずつ詳細を記載します。
まず,「自社への入社を検討していない潜在層にもアプローチできる」に関しては,リクルーターの役割のひとつである「広く会社の情報を伝える」を現場社員が実行してくれます。
採用活動を始めていない学生や,今すぐには転職するつもりがない人材でも,数カ月〜数年後に縁があるかもしれません。中途採用の場合,技術勉強会などを通じて自社の技術力を発信することで,より意識の高い勉強熱心なエンジニアなどとの出会いも生まれる可能性もあります。
2つ目の「より現場での活躍が見込める人材を発掘できる」に関しては,想像が付きやすいかと思いますが,やはり現場での業務を理解した人間が採用するメリットは大きいです。
候補者の方に業務イメージを伝えやすいですし,現場社員だからこそ感じられる雰囲気や業務に必要な特性を基に採用判断することもできます。入社後に活躍が見込まれる人材の採用をする上では良い試みとなりそうです。
3つ目の「リクルーターを担当した現場社員自身のエンゲージメントが向上する」は,良く現場でも声を聞きます。リクルーターに選ばれること自体が,自社に必要とされている人材であることを示すため,社内の存在価値を実感できる場合が多いようです。
また,リクルーターとして候補者と接点を持つ上で,自社の経営方針や自身の業務内容を言語化することは不可欠です。候補者からの質問に回答することで,リクルーター自身も社内での立ち位置を再認識し,その後の自身のキャリアを考えるきっかけになります。
帰属意識や意欲という意味で,エンゲージメントの向上につながることが期待されます。
リクルーターを設けるデメリットは?
では,逆にデメリットは何でしょうか?
- リクルーターによって対応に差が生じる
- リクルーター活動をした社員をどのように評価するか
- 本来の業務とのバランスをどう取ってもらうか
この3つが運用上の懸念となりやすいです。
1つ目の「リクルーターによって対応に差が生じる」は,具体的に何をどこまで任せるかを定義しましょう。採用が本業ではないので,かなり質に差が出ます。
実際,この問題は,仕組みと具体化の問題になるので解決出来るケースが多いです。
問題となるのは,2つ目と3つ目が問題となるケースが多いです。
やはり,リクルーター業務は現場社員の本業ではないため,本人たちが良くとも直属の上司が懸念を示したりするケースがあります。リクルーター業務を行うことで,上司や会社からの評価が下がったり,業務量が増えるという状態では,前向きな気持でリクルーターを続けてもらう事は難しいでしょう。
そのため,事前に会社や現場上司とのリクルーター制度導入のすり合わせは必須です。むしろ,ここが成否をわけると言っても過言ではありません。
まとめ
今回はリクルーター制度について解説しました。買い手市場の傾向になったとはいえ,「優秀な人材を採用したい」という採用難の時代は続きます。自社にあった制度を導入して採用活動を成功させていってください。