最近は,従業員に出社をさせる企業も増えてきましたが,リモートワークを併用した働き方を導入している企業も多いと思います。営業を管理している方のお悩みとして伺うことが多いのが,「アウトバントでのアプローチ数低下」です。今回は,リモートワークの中でもどのようにしてアウトバウンド営業をマネジメントしていけば良いのか解説します。
行動量を下げないためにマネジメントでできること
行動量達成までの残り件数を明確に示すというのは効果的です。行動経済学には「目標勾配仮説」というものがあり,「目標に近づけば近づくほど,その目標に対する価値が高まり,モチベーションアップする心理現象」が提唱されています。
途中で「もう無理だ」「嫌だ,やめたい」と思っていても,ゴールが目の前に見えてくると「もう少しだから最後まで頑張ろう」と活力が湧いてくるという心理です。
行動量担保においても,この仮説を活用して,「コール数達成まであと〇件!」と口頭で伝えるなど,メンバーに明確に示すことでモチベーションを下げづらくさせるというのは効果的でしょう。
マネジメントで解決する前に準備をすべこと
すべてマネジメントで解決しようとしても難しいこともあります。やはり会社としてある程度の準備をしておかないと,いくらマネジメントが上手かろうが解決しないことも多くあります。最低限アウトバウンドコールのトークスクリプトとよくある質問,切り返し集は準備をしておくと良いでしょう。
トークスクリプトは,営業活動を有利に進めるための基本の台本です。 トークスクリプトが必要な理由は,個人の感覚や属人的なスキルに頼るのを防ぎ,誰がやっても成功の可能性が高いモデルケースを築くことができるからです。また,売れない理由を検証するためにも効果的です。
FAQ・切り返し集とは,よくある質問への回答集・顧客のネガティブな言葉を払拭するための応酬話法のまとめを呼びます。FAQ・切り返し集を作成する際は,専門用語を使わず,顧客に伝わりやすい「言葉」「表現」を用いることを心がけましょう。また,あらゆる想定に対して回答を用意するために,営業活動の中で日々ブラッシュアップすることが必要です。
マネジメントも準備もしたが,まだ行動量が足りていないときには?
アポ取り大会を開催して,モチベーションアップ・ゲームを取り入れて,モチベーションを上げる方法を検討するのも良いでしょう。コール数の一番多い人に賞品を与えたり,「アポをとると◯ポイント」といったように,ポイント別に賞品を用意するのも効果的です。ゲーム要素を取り入れたものは現場社員のモチベーションアップにも繋がります。
また,この際に,現場リーダーも「一緒にやろう!」と声をかけ,数時間一緒にコールするとなお効果的です。リーダーも一緒にコールするという行動で見せることによって,メンバーも「やらなくてはいけない」という気持ちが増します。
まとめ
今回はリモートワーク化でのアウトバウンド営業のマネジメント施策について取り上げました。営業は行動量がものをいう種目ではあるので,チームうまくマネジメントし達成に近づけてみましょう。