なぜ「とりあえず3年は働け」と言われるのか。3年以内の転職は不利になるか

人材コラム

「新しい職場で働きだしたものの,仕事も人間関係も合わず,転職を検討しているが,転職できるか不安」という方も多くいるのではないでしょうか。世間では,「転職は3年働いてから」などと言われますが,入社して間もなく,会社や仕事とのミスマッチを感じる方も少なくありません。

そこで,転職するかどうか悩んでいる方に向けて,新卒社員の離職率や「転職は3年働いてから」という言葉の意味について解説していきます。

3人に1人は3年以内に退職をしている

入社3年以内の転職は,経験やスキルが不十分だと判断される可能性があるため,一般的に不利であると言われています。しかし,実際には多くの若手社員が入社3年以内に退職しています。厚生労働省の調べによると,大卒就職者の入社3年以内の離職率は32.0%(令和元年公表)です。

つまり,大卒就職者のうち約3人に1人は入社3年以内に退職しているということになります。このことから,新卒で入社した会社を3年以内に辞める方は意外と多いことが分かります。しかし,世間では「転職は3年働いてから」という言葉をよく耳にするため,入社3年以内の転職は不利になるのでは,と不安に思う方も多いと思います。では,なぜ「転職は3年働いてから」と言われるようになったのかについて解説していきます。

なぜ転職は3年働いてからと言われるのか?

上記の通り「転職は3年働いてから」と言われることがありますが,このような通説は日本の企業で一般的だった年功序列や終身雇用といった慣習に基づいていると考えられます。かつては,入社後3年間は「修行期間」として社会人の基礎を身につけ,出世コースに上手く乗ることが高く評価されていました。つまり3年という期間が「一つの目安」となっていました。

しかし,現在では従来の雇用システムが崩れつつあり,この通説は必ずしもすべての人に当てはまらなくなってきています。明確な転職理由や目標など,確かなビジョンがあれば,年次や経験はそれほど気にする必要がないと言えるかもしれません。

ただし,転職の判断は慎重に行うようにしてください。転職は,良くも悪くもあなたの生活を大きく変える可能性があります。現職で感じている不満や苦痛を解決するには,転職することが最善策であるか冷静に判断すべきです。たとえば「人間関係が上手くいかないから」「仕事がつまらないから」といったネガティブな理由だけで転職活動始めてしまうと,選考に進んだ時に面接での受け答えに困ったり,応募書類で適切なアピールができずになかなか転職先が決まらないということにもなりかねません。

一方,入社3年以内であってもキャリアアップを目指す上でどうしても転職が必要な理由があれば,それほど経験年数を気にする必要はありません。

まとめ

転職すべきかどうか自分自身で判断できない,踏み切れないという人もいるかもしれません。社会人3年に満たない経験では,自身の市場価値を見誤って転職に失敗する可能性があったり,自分のやりたいことを十分に把握できておらず,転職後にミスマッチが発生したりすることも考えられます。また,景気動向などによっても転職に有利な時期とそうでない時期が多少なりとも存在します。後悔しないためには,経験者の意見を聞いたり,転職エージェントに登録してプロに相談したりするのがおすすめです。

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