Chat GPTをはじめ,「AI」という言葉を聞くことが増えてきました。これまでも「ビッグデータ」や「DX」などトレンドになってきた単語は多々あるのですが,AIに関してはその中でも聞く頻度が落ちずに私たちの私生活に結びついてきている単語だと思います。
そこで,改めてAIを簡単に理解したいと思い,『文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要』という本を読みました。今後どのようにAIを活用して生きていけば良いか紹介したいと思います。
本書を読むと良い人
本書は以下のような方におすすめできると思います。
- AIに仕事がとって代わられるのではないか?と不安な方
- AIを活用していきたいと考えている方
- AIをまだよく理解できていない方
まだこれからAIを学習してみたいという方や,AIの台頭により自分の将来に不安を抱えている方には向いている書籍だと思います。気軽にAIがどんなもので,どのように関わってくるかが書かれているので肩肘貼らずに読める本だと思います。
AIによって職が失われるのか?
みなさんがやはり気になるのは,「AIによって自分の職業が失われるのか?」ということだと思います。失われるかどうかで言えば,「失われるものは必ず出てくる」と言えるでしょう。しかし,それによって誰かが職業を失い,失業者があふれるかといえば,そうではありません。過去にITや家電製品をはじめ人々の仕事を奪ってきたものは多くあります。しかしながら,それによって失業者で溢れたということはありませんでした。
つまり,新しい技術によって,現在ある職業が失われたとしても,新たに新技術を活用した仕事が生み出され,誰かがその仕事に就くようになります。そう考えると,もっともリスクが高いのは,AIを過剰に恐れ,身動きが取れなくなってしまうことだと本書で語られています。
AIが普及すれば,AIとの共働きスタイルが広がっていきます。AI職の役割は,AIの特性を知り,人間とAIの共働きをうまくコントロールすることだと本書では語られており,AIを積極的に使っていくことが,「人間とAIの共働き時代」を安泰に過ごす上で重要なのだと言えるでしょう。
5つの共働きスタイル
本書では,AIとの共働きスタイルが5つ紹介されています。以下になります。
- ① 人だけで仕事をする「一型」:具体的にはマネジメント・経営業務,クリエイティブ業務など。
- ② 人の仕事をAIが補助し,人ができていたことを効率化する「T型」:接客や営業,教育,ソーシャルワーク業務など。
- ③ 人の仕事をAIが拡張し,人ができなかったことを可能にする「O型」:医療・看護,弁護士といった高度な専門業務やトレーダーなどの予測分析業務。
- ④ AIができない仕事を人が補助する「逆T型」:データ入力業務や運転業務など。
- ⑤ 人の仕事をAIが完全に代行する「I型」:注文会計業務や監視業務など。
みなさんの仕事もこのいずれかに属していくことになります。こうみるとAIが関わらない業務がほとんどであることがわかると思います。今後不足するのは,AIを作る側の人間ではなく,AIの活用法を考える企画側の人間が足りなくなると言われています。そうすると,早い段階からAIに触れておくことが大切と言えるでしょう。
まとめ
今回は『文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要』を紹介しました。今後,AIが業務に直接関わってくる頻度は増えます。この際に,対応できないからと拒否反応を出すのではなく,おもちゃに初めて触れるような形で関わっていくとみなさんもどんどん新しい技術を活用できるようになるでしょう。まずは本書を読み,どのような技術か知ることからはじめてみるのはいかがでしょうか。
書名 | 文系AI人材になる |
著者 | 野口 竜司 |
出版社 | 東洋経済新報社 |