『いたいコンサル、すごいコンサル: 究極の参謀を見抜く「10の質問」』

書評

昨今,コンサルタントを活用して,市場調査や業務フロー改善,戦略立案などを加速させている企業が増えてきました。しかし,その中で「コンサルに頼んだけど全然効果がなかった」という声も増えてきたように感じます。そこで,今回は『いたいコンサル,すごいコンサル: 究極の参謀を見抜く「10の質問」』という本を読んだので,自分自身が得た学びなどを共有したいと思います。

なんのためにこの本が書かれたのか?

本書は以下の目的で書かれたと記載されています。

①「本書を通じ,コンサルタントを起用する方々が賢くなり,結果を出せる確かな腕を持つ「本物」のコンサルタントを見抜き,大きな財務的成果を出すためにうまく使っていただけることを願っている。」

②現役のコンサルタントの方々においては,今後はクライアントとのやりとりの中で,本書で述べるような厳しい質問を浴びせられることを覚悟の上,しっかりとプロフェショナルとして,それに対峙すべく日々の仕事に臨んでいただきたい。自身のコンサルティングスキルを,一歩引いた視点で客観視し,プロとして求められる品質水準を知り,一層の自己研鑽をしていただけるとありがたい。

つまり,コンサルタントに依頼する顧客側とコンサルタントに向けて,両者が改めて水準の高いサービス選定や価値提供ができるようになるために書かれた本といえます。

優秀なコンサルタントを見抜く10の質問とは何か?

本書の題名にもなっている「10の質問」とは何か紹介していきます。

以下になります。

  • 質問1「わが社の属する業界の歴史と構造変化をどう見ていますか?」
  • 質問2「今回お願いするプロフェクトの最終提言の仮説は何ですか?」
  • 質問3「わが社の中期経営計画の鍵となる施策とその利益効果の根拠は何ですか?」
  • 質問4「わが社が競合に勝つために取るべき最も重要なアクションは何ですか?」
  • 質問5「わが社の周辺事業への展開についてどうお考えですか?」
  • 質問6「現在のわが社の戦略で誤っている点,見逃している点は何ですか?」
  • 質問7「わが社の『意思決定プロセスの特徴』をどう見ていますか?」
  • 質問8「今回のプロジェクトは成功報酬でお支払いしてもよろしいでしょうか?」
  • 質問9「過去のプロジェクトで最長のもの,最大の効果を出したものは何ですか?」
  • 質問10「今回のプロジェクトにあなた(パートナー)自身は,どれだけの時間を使ってもらえますか?」

これらの質問にクリアに答えられるかどうかが,良いコンサルとそうでないコンサルを見分けるポイントとのことです。ちなみに,私もここまで意識したことはないので,もっとちゃんとしないといけないなと感じました。この質問に明確に回答ができ,単なる事例の紹介や一般論でない提案ができるコンサルタントは本当に価値が高いと思います。

みなさんもいきなり全てとはいかないと思いますので,日々のクライアントと触れ合う中で回答ができるようにレベルアップしていきましょう。

まとめ

今回は,『いたいコンサル,すごいコンサル: 究極の参謀を見抜く「10の質問」』を紹介しました。読んでいると「自分はまだまだ何もできていないなあ」と思わされることが書かれていましたが,さらに自分の力を伸ばしていけるということなので,日々頑張っていこうと思います。

書名 いたいコンサル,すごいコンサル
著者 長谷部 智也
出版社 日経BPマーケティング

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