『最高の働きがいの創り方』文化的なマッチングを重視した採用を行う大切さ

書評

採用が売り手市場となり,採用難時代が続いています。当然,求職者はより条件や自身の希望に沿ってくれそうな会社に入社を決めるわけですが,最近は「働きがい」を求めて就職先を決める方も増えてきました。

今回は,コンカーの代表の方が書いた『最高の働きがいの創り方』を紹介したいと思います。同社は「働きがいのある会社ランキング」でも1位を獲得するなど,昨今注目されている経費清算システムを提供している企業です。同社がどうやって,働きがいのある会社になってきたか紹介していきたいと思います。

採用では能力はもちろんだが,それより文化的なマッチングを重視する

著者は,採用において「即戦力」にこだわりすぎ,組織がうまく機能しなかったことがあるようです。多くの即戦力人材が,組織でなく自分が成果をあげるために,情報連携をしなかったり,個々で動いているので,情報共有が上手くいかず,結局会社経営にも影響を与えるようになってしまったようです。

このことから,著者は文化的なマッチングを能力より重視した採用を行わないといけないと考えるようになりました。実際,私も採用の支援をさせていただく際には,会社の組織文化に合うかどうかというのは重視します。やはり組織文化にあわないと,会社に馴染めない可能性も高まりますし,価値観でぶつかってしまうことも少なくありません。文化的なマッチングは私も大切だと感じます。

会社文化の方向性を示すことが大切

上記で記載していた通り,「文化的なマッチング」は非常に大切ですが,そのために会社文化の方向性を示すことが大切だと本書に書かれています。いわゆる「ミッション・ビジョン・バリュー」と呼ばれるものが代表的です。コンカーでは,「夢や志,大義との一体感(ミッション,ビジョン,バリュー)」と「視座の高さと裁量の大きさ」,「成果や失敗を通じた成長の実感」を働きがいを高めるための3つのドライバーとして定めています。

このような方向性を定めることは,既存の社員やこれから入る採用対象者にも会社側が何を考えているか示すことができます。これを示すことによって,この方針とはそぐわない採用対象者を落とすこともできますし,社内の評価基準も「数字」という結果だけではないもので評価をすることができます。

また,この文化が定着してくれば社員も無意識にこの文化を意識した行動をとるようになり,より会社文化が磨かれてきます。まだ,会社文化を示しておらず会社の雰囲気に違和感を感じはじめている経営者の方は会社文化の方向性を示すことを考えてみても良いのではないでしょうか。

会社文化を定着させるには制度も必要

会社文化を定着させていくことの大切さを説明してきましたが,この文化を定着させることは実際至難の業です。コンカー社では,そのためにさまざまな制度を導入したとのことでした。

たとえば,他部署との連携を強めていこうと考え「部署間を超えた協力をしよう」と文化を定めても中々現場社員では行動に移せません。その際に,「他部署と週に1回はランチを一緒にする」などの仕組みがあれば,誘い辛かったりなんとなくの気まずさも解消できます。会社文化を定着させるためには,毎度経営陣から文化についての話しをすることも大切ですが,制度による仕組みから考えてみるのも良いでしょう。

まとめ

今回は「最高の働きがいの創り方」を紹介しました。採用難のこの時代には,自社が欲しい人材から選ばれる会社になる必要があります。また,文化を作ることは離職も抑えることができるので,採用や離職でお悩みの経営陣の方は一度考えてみてください。

書名 最高の働きがいの創り方
著者 三村 真宗
出版社 技術評論社

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