『V字回復の経営 2年で会社を変えられますか』できることを着実に行えるチームを作る大切さ

書評

今回は三枝 匡さんの書いた『V字回復の経営 2年で会社を変えられますか』を最近読み直したので,改めて感想など書いていきたいと思います。

この本は具体的に企業再生について書かれているので,下記の方には非常に参考になります。

  • 事業責任者の方
  • 新人リーダー
  • 将来上記の様なポジションを本気で目指す方

自分のチームが不振に陥っていなくても学ぶ点は多いので,事業責任者の方には特におすすめです。

本書は「太陽産業」という架空の企業のお話で,外部コンサルタントと改革社長に抜擢された黒岩が社内でタスクフォースという経営再建チームを作り,経営再建の改革を行っていくという内容です。

太陽産業のモデルは,建設機械で有名な「コマツグループ」と言われています。そのため,ただのフィクションではなく,実際にあった課題や解決策など実例に近い形で知ることができるので,とても読み応えがあります。

本書は以下の「改革9つのステップ」に則り書かれています。

  1. 期待のシナリオ
  2. 成行きのシナリオ
  3. 切迫案
  4. 原因分析
  5. シナリオ
  6. 決断
  7. 現場への落とし込み
  8. 実行
  9. 成果の認知

物語を読み進めると,太陽産業が万年赤字企業になってしまった要因のひとつは,さまざまな人間模様だということがわかってきます。「プライド・権力争い・自分の立場を守るため」など個々の思惑が改革の足止めになっているのです。

本書では黒岩をはじめとしたタスクフォースのメンバーがリーダーシップをとり,現場への改革施策の現場落とし込みを行っていきますが,そこで壁になるのが「人」です。

この本を読んだことで結局現場で施策を実行する「現場の人間」が一番大切で,改革実行のために同じ方向を向かせる事の難しさ私も改めて実感しました。

景況感が悪い昨今ですが,景気を言い訳にせずできることを着実に行えるチームを作るという大切さを再認識できた一冊でした。

書名 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか
著者 三枝 匡
出版社 日本経済新聞社

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