『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』相手が知りたいことを伝えるという意識を持とう

書評

誰かと話すときに「話が長い」とか「何を言っているかわからない」と言われた経験がある方もいらっしゃると思います。社会人になると,友人の間では問題がないように感じていた話し方で注意をされてしまうことが増えたという方もいるでしょう。

今回は,『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』を読んだので,共有します。シンプルに大切なことを相手に伝えたいという方におすすめです。

他人はあなたの話の80%は聞いていない

伝える技術を知る前提として,「人はあなたの話を80%も聞いていない」と知っておきましょう。つまり,相手に20%しか聞いてもらえない状況で,どれだけ相手に分かりやすく伝えるかがポイントとなります。本書では自分の話を聞いてもらうためには「1分で伝わるように話を組み立てる力」が必要だと語られています。

この伝える力は,人が80%も聞いていない前提で少しでも相手の頭に残すための工夫です。たとえば,何日もかけて準備したプレゼンをしても,「結局何が言いたいの?」と言われてしまい落ち込んだ営業の方も多いと思います。どれだけ良いプレゼンをしても,相手の理解力に関係なく,100%理解してもらうことは不可能です。まず,この前提を知った上で,伝える技術を高めていきましょう。

100%聞いてもらえていると思っていると,すれ違いが起こってしまう原因となります。

左脳と右脳に訴えることが大切

人間の脳は,左脳と右脳でできています。一般的に左脳は論理で考え,右脳は感情で考えると言われています。本書では,左脳と右脳に訴えかけるように話していくのが重要と語られています。要は,1分間の話の中で論理に訴え,感情に訴えろということです。

これだけだとイメージがし辛いので「結論+根拠+具体例」という公式も紹介されています。よく世間でも言われている内容ですよね。前述の通り,他人は話しの80%は聞いていないので,結論から話さないとそもそも話を聞いてくれません。相手と話すときは「何の話なのか?」という結論を明確にした上で会話をするように心がけましょう。

プレゼンは内容を理解してもらうために行うものではない

プレゼンをする際に「理解してもらおう」と意気込む方も多いと思いますが,大事なのは相手に「自分の定めたゴールを達成してもらう」ことです。いくら内容を理解してもらっても「契約であったり,相手にしてほしい事」をしてもらえないと,意味がありません。

そのためには,丁寧に説明するということだけではダメで,相手が聞きたい情報を先に出して説明するということが大切になってきます。相手は値段しか気にしていないのであれば,値段の会話は要点を置いて説明すべきですし,リスクが気になっているのなら,リスクと回避方法の説明に時間をかけます。

このように,自分が伝えたい情報ではなく,相手が知りたいことを伝えるという意識を持つようにすると良いでしょう。

まとめ

今回は『1分で話せ』を紹介しました。いつの時代も他人とのコミュニケーションは大切です。興味のある方は本書を読み,シンプルに相手に伝わるようトレーニングしてみてください。

書名 1分で話せ
著者 伊藤 羊一
出版社  SBクリエイティブ

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