「リクナビ」や「マイナビ」などに登録をしていて,「スカウト」を受けたりしたことはないでしょうか? 普段スカウトを受けることはあまりないので,ちょっとドキッとしますよね。
また,就職/転職エージェントを利用する際も「推薦文」を書いてもらえたり,「うちのエージェント経由からエントリーした方が合格率高いよ」などと言われることもあると思います。
そこで,今回は「スカウト」や「就職/転職エージェントの推薦」を受けることは,通常の応募より有利に働くのかについて解説します。
就職/転職エージェントを利用すると「裏ルート」はある?
いわゆる「裏ルート」は存在しない
まず,「裏ルートがあるか」といえば,たしかにあります。
ただ,みなさんが思っているような「ほぼ内定直結」みたいなルートはやはり存在はしません(後述するような一部の年収1,500万以上の役員ポジション等であれば存在します)。
では,裏ルートはどういうものかといえば,「書類選考が通過しやすくなる」であったり,「その紹介会社にしか求人が出されていない」などのケースがあたります。
しかし,「裏ルートがある人材紹介会社はどこなのか」「どの求人がその紹介会社では強いのか」をみなさんが正確に知るのは難しいと思います。
それは,人材紹介会社のエージェントは自社から選考を受けて欲しいので,ウソでも「自分たちのところからエントリーするのが有利」と言うためです。これは外からみた情報では把握できないので,ここを調べることに時間を割くのはちょっともったいない気がします。
(実際は,人材紹介会社から当該企業への紹介実績や担当者との関係性で大きく変わります)
「スカウトメール」はほとんど意味がない
また,「リクナビ」などから届くスカウトメールで「就職/転職活動に有利になるのでは?」については,こちらもほとんど意味はありません。
これらのスカウトメールは,人材紹介会社や求人企業が対象年齢者や出身業界経験者に対し大量に送付しているからです。つまり,あなたの経歴を事細かに読んで送っているわけではありません。彼らにとってスカウトメールは返信率1%の世界なので,該当しそうな方に送っているのです。
一般的に「スカウト」というと「(あなたを)欲しい方が声をかけた!」と感じている方も多いですが就職/転職活動におけるスカウトは違うものだと捉えて良いでしょう。
推薦やスカウトがもらえる人の就職/転職活動
「ヘッドハンティング」という世界
先程,「スカウトは考えても仕方のないもの」だと書きましたが,「こういった例もあるよ」ということについて記載します。
あなたは「ヘッドハンティング」という言葉を聞いたことはないでしょうか? これが人材業界界隈でいういわゆる「スカウト」に近い表現になります。
ヘッドハンティングとはどういうものかというと,まず声をかけられるのは「年収1,500万以上で部長や役員待遇」である方。またはそれに近い実績や業界知名度を誇る方です。
通常の就職/転職エージェントのように,声をかけられる側の方が登録するのではなく,就職/転職エージェントが企業から依頼されたターゲットに直接連絡をしてきます。そのため,自分から就職/転職エージェント等に登録するケースは珍しいのです。
また,こういった求人を出している企業も,「このポジションを採用しています」と表立ってはしていません。なぜなら,競合他社に漏れると「新規事業で何を仕掛けようとしているかバレてしまったり,どこが弱点かバレてしまう」からです。
そのため,ヘッドハンティングの場合は人材紹介会社と企業のみで「求人情報」が共有され,即戦力中の即戦力となる方を役員に近いポジションで採用しにいきます。このケースはスキルは問題ないので採用確率は高く,「転職してくれるかどうか?」という点が重要になります。
実際,1年以上かけて口説いて採用していくことも珍しくなく,一般的な就職活動とは一線を画することが「ヘッドハンティング」の世界ではあります。
就職/転職活動で実績を積もう
ただ,前述のヘッドハンティングが利用できる方というのは,日本でもかなり少数だと思うので,まずは上記のような方になるために普通の就職/転職活動を行い,実績を積みましょう。ヘッドハンティングされなくても,就職/転職エージェントと上手くタッグを組むことで内定率を高めることができます。
そのとき,「退職理由や空白期間の理由を正直に伝える」「業務で工夫したことや実績を定量的に答える」などすると,就職/転職エージェントがあなたを企業に紹介する際に紹介しやすくなるので,できるだけ詳細を伝えるするようにしましょう。
そうすれば,エージェントもあなたが転職するにあたっての背景や強み,弱みを把握できるので,よりマッチした求人にも出会いやすくなり,通過率は自然と高くなるでしょう。
まとめ
今回は「スカウト」について記事を記載しました。
就職/転職活動では,「スカウト」と相性が良い方はとても少ないのが現実です。しかし,いずれそのような(ヘッドハンティングに見合う)ポジションに就けるスキルを身に付け,引く手数多の人材になる方もいらっしゃいます。
まずは,目の前の仕事で実績を積んでいくことを考えるのがいちばんなのだと思います。
(転載元:JOB COMPANY)