『同調圧力の正体』うまく距離をとることで楽になれる

書評

組織や集団で生活をしていると,「空気を読む」という行為が非常に重要となります。日本ではそれが特に重要だと言われています。

今回紹介する『同調圧力の正体』では,なぜ,日本人は他者の目を意識して窮屈な思いをしたり,異質な他者を攻撃するのかといった群集心理の構造が書かれています。 仕事をしていると,人間関係に疲れることがありますが,そんな同調圧力にどう付き合っていけば良いかご紹介していきます。

なぜ同調圧力は生まれるのか?

そもそもなぜ同調圧力は生まれるのか? 本書では原因が3つあると解説されています。

  1. 閉鎖性
  2. 同質性
  3. 未分化

「閉鎖性」に関しては,日本の職場では「終身雇用」「年功序列」「企業別労働組合」によって,社員は定年まで同じ会社で働き続けることが暗黙の前提になっている会社もまだ多くあります。会社の傘のもとで職業生活を送っていると,どうしても人間関係が狭くなってしまいます。

また,同じように学校でも似たような特徴があります。人間関係が限定されると,どうしても身内での最適化が行われるので,本来の目的と逸れた構造が作られるようです。

「同質性」について,日本は欧米と比べて,民族や宗教,文化的に同質性が高い環境があります。閉鎖的な環境に同質性が加わると,いっそう共同体としての空気が固定化されていきます。同質な人が閉鎖性な空間に集まると,どうしても独自のルールや構造ができやすくなります。

「未分化」については,日本の企業や役所では「課」や「係」といった集団で行う仕事が多く,ひとりひとりの分担が明確でないことが多いです。そうすると「他人は他人,自分は自分」という発想がどうしても難しくなり,みんなに合わせて行動するというのが大切になってきてしまいます。

以上が同調圧力が日本で生まれやすい要因とのことでした。

現在は同調圧力がさらに生まれやすい

日本の今までの同調圧力は,「父親」をはじめ,組織の長が発する同調圧力が強かったですが,最近は変わってきています。それの最たる例は「SNS」です。

たしかに,以前と比べても,芸能人のスキャンダルや日常起こる事件に関して,「一方的な正義」が語られるようになったと私も感じることは多くあります。

窮屈になったと感じる方は,自分の個性や価値観を保ちながら,ほど良い距離を置いて生活していくのが良いのかもしれません。

まとめ

日本では同調圧力を無視して生きることは非常に難しいと思います。

しかし,それを気にしすぎて自分自身の意見を曲げてしまったり,心が疲れてしまうと元も子もありません。なぜこんな空気が生まれているんだろうと考えて原因を知ったり,うまく距離をとることで楽になることも多いので,うまく身を任せて過ごしてみましょう。

書名 同調圧力の招待
著者 大田 肇
出版社 PHP研究所

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