今回は,中島佑悟さんの『採用・人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本』について書きたいと思います。
エンジニア採用が難しいというのは,ここ数年ずっと言われていることですが,問題は優秀なエンジニアの数が圧倒的に足りていないということだけではありません。採用担当者がエンジニアリングを理解できずに採用時に求職者から見限られるケースもあります。
採用担当者は,エンジニア採用だけをやっている方ばかりでないので,致し方ない面もあるのですが,採用担当者がエンジニアが話す単語がわかるというレベルは採用において重要だと思うので,私も本書を手に取りました。
簡単にご紹介していければと思います。
どんな人にマッチした本か
- エンジニア採用に関わる方
- IT系企業にお勤めでエンジニアと関わることが多い方
- 人材系の会社でエンジニア採用に関わる方
以上のような方には非常にマッチしていると思います。
用語を理解するだけでは機能しない
私も「単語や用語を理解したい」と思い読みはじめましたが,認識がずれていました。
本書では用語の説明だけでなく,その用語と並列になるようなスキルの説明もあり,知識の幅を広げることができます。採用要件について,現場から「Javaの開発経験3年」など言われると,「絶対にJavaじゃないといけないんだ!」と思ってしまう方もいるかもしれませんが,別のプログラミング言語の経験でも対応できる可能性があります。
普段は社内でも現場エンジニアの方から話を聞いても理解しきれなかったり,要件を下げないといざ採用が難しくなったりするときに相談し辛いこともあると思いますが,本書を読むと自分なりの意見を交えながら相談が出来るようになります。
徹底して採用担当者向けに書かれている
本書では,徹底的に採用担当者向けに内容が記載されていて,現場でよくある疑問などが網羅的に記載されている印象を受けました。
また,エンジニアリングは定義し辛い面も多いとは思いますが,あえて定義し具体的な内容まで踏み込んで記載してくれているので,非常に読みやすいです。
求人票やスカウト・面接時についても「良い点・悪い点」が整理されていて,明日からの業務でも活用出来る設定になっています。
もし,自社のエンジニア採用要件や採用広報面でズレが生じていたり,現場面接が通過しないというお悩みの方は一度読んでみる価値は非常に高いです。
まとめ
エンジニアの採用は今後も激化していくことが予想されます。しかも,彼らはお金をかければ採用できるわけではなく,あくまで,やりがいやスキルが見込まれる業務に適切な報酬や文化がそろったときに初めて採用できるので,エンジニア採用がうまくいくような文化形成を行ってみてください。
書名 | 採用・人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本 |
著者 | 中島佑悟 |
出版社 | 翔泳社 |