『渋谷で働く社長の告白』どこかで思い切りアクセルを踏むことが大切だ

書評

今回は,時価総額を1兆円超え,「ウマ娘」のヒットなどで再度注目されているサイバーエージェントの創業者・藤田 晋さんの著作『渋谷で働く社長の告白』を数年ぶりに読んだので,感想を書いていきたいと思います。

どんな方に合っている本か?

  • 起業や事業をはじめようとしていたり,はじめたばかりの方
  • 日々に閉塞感を感じており気持ちが沈んでいる方
  • サイバーエージェントに興味のある方

本書は,藤田さんの学生時代からサイバーエージェントでの困難をどう乗り越えたかなど,詳細に書かれています。創業当時の苦難やどういった想いで業務に取り組んでいたかなどについて読んでいると「自分はここまでの苦難にあってないのに何をやっているのだろう」と感じました(笑)。

一種のカンフル剤として現状を打破したい方には良い本だと思います。

印象に残った話

サイバーエージェントの創業時の事業は,営業代行業でした。そこで広告システムを代理販売していたのですが,新規事業としてそのシステムを真似たシステムの販売を手掛け,事業が成長したというエピソードがあります。

本書の中でも語っていますが,「普通はありえない」ほどタブーなことです。真似された会社の社長との電話の内容も簡単に記載されていますが,100%サイバーエージェントが悪いです。

ただ,自社を伸ばし株主や従業員,また事業の閉塞感を打破するために当時行った荒業ですが,「ここまでの覚悟を自分は持てるだろうか?」と感じました。

同じ手法を取ろうとはまったく思いませんし,流石にこの行為は問題がありすぎるのですが,「21世紀を代表する会社を作る」という目的のために,「自分はここまで本気になれるだろうか? いや,なれないな」と思ってしまいました。

何事にも突き抜けていくには,どこかで思い切りアクセルを踏むのが大切なのだと実感しました。

また,広告代理業だけでなく「Ameba」などのメディア事業への投資のエピソードも今の「Ameba TV」と同じような状態で,藤田さんが舵を切っているので,「赤字でもこういうこと考えているんだな」というのがわかり,刺激的でした。

まとめ

日本を代表するベンチャー経営者の一人である藤田さんが,なぜここまで会社を成長させる事ができたのかが一部でも理解できる本です。

さまざまな大物経営者の方を見ると,「あの人は才能があったんだ」というバイアスで終わってしまうことの多い自分ですが,結論,「何をやると決めてぶらさずやりきるか」ということがいちばん大切なポイントだと改めて気付かされたので,自分自身もやりきっていきたいと思います。

書名 渋谷ではたらく社長の告白
著者 藤田晋
出版社 幻冬舎

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