本書は,「本を7回読むこと」でどんな分野でも独学ができるというものです。実際に著者の山口真由さんは,東大首席,司法試験,ハーバード・ロースクールなどをこの勉強方法で乗り越えています。
ただ,実際は本書にもあるようにかなり追い込みもかけているので(司法試験の口述試験前は1日19時間半勉強など/汗),完璧コピーは目指さないようにするというのが大切そうです(壊れそう)。
本書は単行本と文庫でタイトルが変わっています。
- 単行本:東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法
- 文庫本:東大首席が教える超速「7回読み」勉強法
また,他の出版社でも似た内容のものが発売されているので,気になったものを選ぶのも良いでしょう。一応,僕は「7回読み」の元になった本書を選びました(文庫本を買いました)。
ともあれ,どうやって勉強すれば良いのだろう,どうやって独学をすれば良いのだろうという人にとって,とても良いヒントになる一冊になっています。
本書は,前半に山口さんのヒストリー(東大→司法試験→財務省),後半に「7回読み勉強法」という構成になっています。勉強法だけを知りたい方は後半だけを読んでしまうのも良いでしょう。
個人的には,特に司法試験のときにどのような勉強をしていたのか興味があって読んでみました。とにかく教材を絞ってそれを徹底的に繰り返すというのがわかります。
7回読みは次の特徴があります。
- 「読むこと」の負荷が小さいこと。
- 情報をインプットするスピードが速いこと。
- いつでも,どこでもできること。
7回といってもいきなり熟読するわけではなく,最初は軽く読んで全体像を把握して,徐々に細かいところを読んでいくという感じです(実は僕もほとんど同じ勉強法です)。
同じ文章を「読む・書く・話す・聞く」で速度を比べたら,言うまでもなく,もっとも速いのは「読む」でしょう。まとめノートを書いたり,講義を聞いたりするよりも短時間で大量の情報をインプットできます。
これはもっとも共感したもののひとつです。YouTubeなどの動画コンテンツが流行っているのは一般的にわかりやすいという点はありますが,ハイクラスの人はほぼほぼテキストから情報を得ているという差があります(語学の発音など動画が有利なものもあります)。
本書を読むと,講義を聴いて学ぶという受け身の姿勢ではなく,(本を選んで)自ら学ぶという能動的な学習ができるようになります。すべてをトレースするのはなかなか難しいですが,独学の方法を探している方にとって最良の方法のひとつになると言えるでしょう。
書名 | 東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 |
著者 | 山口真由 |
出版社 | PHP研究所 |